Newsroom

Newsroom

ビットキーのworkhubが大規模データセンターに初導入。IIJ 白井DCCの入退館受付手続きを自動化

ビットキーのworkhubが大規模データセンターに初導入。IIJ 白井DCCの入退館受付手続きを自動化

顔認証による本人確認で高いセキュリティ水準を確立。受付業務の約7割を自動化

株式会社ビットキー(本社:東京都中央区、代表取締役:江尻 祐樹・福澤 匡規・寳槻 昌則、以下、ビットキー)は、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が2019年5月より運営する「白井データセンターキャンパス」(千葉県白井市、以下、白井DCC)にて、入退館受付手続き業務の効率化と省人化を目的にコネクトプラットフォームworkhubが採用され、2023年4月より運用を開始したことをお知らせします。なお、workhubの大規模(※1)データセンターへの導入は初となります。
※1:収容規模が1,000ラックを超える施設

取り組みの背景

IIJは白井DCCにて「究極の自律データセンター」をコンセプトに、AIをはじめとする先端技術を活用することでサービスの提供に関わる定常業務の自動化を推進し、品質向上と運営人材(以下、オぺレータ)の負荷軽減の両立を目指してきました。
しかし「入退館受付手続き業務」は人が介在する作業が残されており、オペレータの全業務のうち1割超を占めていました。特に、データセンター利用者の出入りが集中する朝・昼など特定の時間帯や、サーバー増設時など多数の作業員が出入りするタイミングなど、業務量の変動が大きいことから人的リソース配分による解決も難しいという課題がありました。
また、入退館セキュリティやサーバーラックの電子錠、お客様向けの申請システムなど、すでに運用中の設備・システムがあることから、これらと連携できるシステムを導入する必要がありました。この度、ビットキーのworkhubは、運用中の既存設備やシステムと連携でき、顔認証技術の活用でセキュリティ水準を維持したまま業務を効率化できることに加え、入館者数の増加に応じて受付端末を容易に増設できる柔軟性が評価され、採用に至りました。

本取り組みで提供する主なプロダクトと目的

・workhub Cloud (既存の申請システムや入退室設備などとの連携のため)
・workhub Reception(手続き案内のため)
・workhub Face recognition for iPad(顔情報による入館権限確認のため)
・bitreader+(ICカードの識別情報を入館権限と連携するため)
※2:workhub Face recognition for iPadはworkhub Receptionと組み合わせて利用するため、以下図では省略

入館方法

<入館前の事前登録>
① :申請者は、事前に会員サイト(サービスポータルサイト)から入館者情報や日時等を申請
②〜④:workhub専用ページから必要情報(入館者の顔情報と運転免許証等の本人確認書類)を登録
⑤〜⑦ :オペレータによる顔情報と本人確認書類の確認後、入館許可取得

図:本人確認に必要な情報の登録画面

<入館当日>
⑧ :入館者が受付に設置された専用端末(workhub Reception)に顔をかざすと、workhubのシステム上
で事前に登録された顔情報と照合され、承認済みの訪問か判断。同時に同端末で体表面温度を計測
⑨ :持ち込み物を確認し、カメラ付き端末への目隠しシールを貼る
⑩〜⑫:手続き完了後、受付に設置されているICカードをカードリーダー(bitreader+)にかざして、
カードの識別情報と入館権限を連携
⑬ :ICカードでセキュリティゲートの通行、部屋・サーバラック扉のカギ解錠が可能に

本取り組みの特長

受付にかかる所要時間を短縮し、受付の混雑を緩和
受付時間や待ち時間の短縮により、今までよりスムーズに入館でき、障害対応などで緊急入館する場合にも作業開始までの時間短縮が見込まれます。また、従来は入館のたびに本人確認を実施していましたが、一度事前登録をしておくと、次回入館時からは登録された顔情報との照合のみで完了できるようになります。
専用端末とカードリーダーは追加設置が可能で移動もできるため、施設の拡充や利用者数の増加にも柔軟に対応できます。

運用中の既存設備やシステムとも連携
データセンターは一般的なオフィスと異なり、高いセキュリティレベルを維持するため、入退館時に本人確認書類の提示、持ち込み物の確認、カメラ付き端末の目隠しなど、複雑なチェックが必要です。加えて白井DCCは、すでにデータセンター利用企業向けの会員サイト(サービスポータルサイト)や入退室管理システム、サーバーラックの電子錠管理システムなど、既存の設備・システムが運用されており、新たに導入する入退館システムはこれらとの連携が必要でした。workhubのAPIを活用することで、入退館受付だけでなく、サーバー室への入室、サーバーラックの扉解錠までシームレスに連携し、対面による手続きを極力抑えることを実現しました。

高いセキュリティレベルを構築しつつ、オペレータの入退館受付手続き業務約7割自動化
データセンターでは、ICカードと生体認証の組み合わせ等によりセキュリティレベルを担保することが各種基準の推奨・必須項目とされていますが、セキュリティレベルの向上に比例し、オペレータの手間が増える課題があります。今回、顔認証の活用で高いセキュリティを確保しながらも、workhubを既存のセキュリティシステムやサーバーラックの鍵管理システムなどと連携させることで、オペレータが対応する入退館受付手続き業務の約7割を自動化しました。

本取り組みへのコメント

株式会社インターネットイニシアティブ 基盤エンジニアリング本部 基盤サービス部副部長  橋本 明大 氏

データセンターはお客様の情報インフラ・資産を預かるため高品質の運用が求められます。中でも入退館受付業務は、複数システムと人の対応(オペレーション)で成り立っており、IIJグループのデータセンターで長く培った経験とノウハウを運用手順に凝縮することで高品質なサービスを提供しています。一方、データセンターとして高いセキュリティレベルを維持するが故に複雑な対応も含まれており、自動化やシステム化に大きな壁がありました。この度、ビットキー社のworkhubは「既存システムとの連携」と「オペレーションのシステム化」を実現できるうえ、これまで培った経験とノウハウを踏襲できること、入退館受付手続き業務に要していた時間を短縮できること、2期棟を含めた将来の入館者増に対してもシステム拡張できること、から採用を決めました。今後は、ビットキー社のworkhubを利用した自動受付システムを通じて、IIJの新たな運用の経験とノウハウを蓄積し、自動受付システムを利用した新技術・新サービスへの活用も視野にいれていきます。

今後の展開

今後workhubは、23年7月稼働開始予定の白井DCCの2期棟での採用が予定されており、また3期棟およびIIJが運営する松江データセンターパークでも導入が検討されています。ビットキーは今後も、データセンターのサービス品質向上とオペレータの負荷軽減の両立を叶えるため、さらなる機能開発を進めてまいります。

白井データセンターキャンパスについて

インターネットイニシアティブのこれまでの技術を結集して、新技術を積極的に導入するシステムモジュール型データセンターです。デジタルトランスフォーメーションの本格普及に向けた新しいデータセンター需要に対応が可能な大規模データセンターです。

workhubについて

人と仕事の間の分断を「つなげる」ことで解消するコネクトプラットフォームです。オフィスのスマートアクセス化や、無人受付、会議室予約、ホテリングなど、workhub一つで利便性の高いオフィスに必要なあらゆるシステムが丸ごと揃います。ビットキーの製品だけでなく、他社が提供する製品やサービスとの連携も可能なため、オフィスビルのスマートアクセス化においては、既存のビルセキュリティとの連携によって、ICカード、QRコード、顔認証など組み合わせた柔軟な認証方法に対応でき、workhubが導入されたオフィスではビルの入館から執務エリアや会議室への入室まで、スマートアクセス化を実現します。

Share this article